「スケート大好き!」

by 酢好き大好き(スズキダイスケ)

天国のおもいで。スケート場内だけが天国だ。そこで僕たちは超人的な存在になる。終ったら出口を出て、また暑さの世界へ行く(失楽園)。

暑さの日々。
夜、寝苦しいし、朝から暑い。

地下鉄を降りて体育館に来る間に汗がでる。
リンクのドアの前、階段行列も暑い。
早くあのドアの向こうに行きたい!
あそこだけが天国だ。

8時半になり、天国の門が開く。
天国の人となり、スケート靴にはきかえて氷の上へ。
そこで僕たちは超人的な存在になる。

人間は両足で歩く。
その時頭は上下する。
氷の上を滑るとき、私たちの頭は上下しない。
私たちは、氷の上を歩かない。
ご存じであろう「神、天使、そして魔性のものは、歩かないで移動する」。

教室が始まり、終わる。

10時から自主練習だ。
超人的な存在である私たちは、氷の上を滑りながらスケートについて、語っていた。
質問されて、バニーホップや、マヅルカジャンプなどを仲間にお教えした。
このリンクは一般滑走中、ジャンプ禁止だ。
だが、前向きで跳ぶ、一種ステップなこれらは、やっても構わないのである。

へたくそなジャンプをやっていたら、いつの間にか、人間に戻っていた。
自由滑走の時間が終わった。
気が付くと、ただのおっさんだった。

出口を出て、また、現実の暑さの世界へ行く(失楽園)。

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天国の出口の看板。